2016_10
13
(Thu)17:00

町田氏のアヴェ・マリア

BSジャパンで放送されたJapan Open2016の録画視聴で、
ようやく町田氏の「アヴェ・マリア」を鑑賞しましたにゃヽ(^◇^*)/

鑑賞して思ったのは、衣装、照明、音楽、演技のすべてに趣向が凝らしてあって、
さすが町田氏、深い!深すぎるよー!ということです。

ジャンプ無しという、とても斬新なプログラムに仕上がっていましたが、
これがたった一度の公演で終わってしまうのは勿体ないですにゃね。
また機会があれば、どこかで披露していただきたいものです。

☆動画主様、UPありがとうございます。お借りします!

JO2016 町田樹 Ave Maria


(以下の画像はすべて動画からのキャプチャーです)

噂に聞いていた客席からの登場ヽ(^◇^*)/
以前、ジョニーが「カルメン」で氷に降りる前から演技が始まるというカッコイイ演出をしていましたが、
町田氏のそれは想像以上にインパクトがありました。

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一度立ち止まって、客席へご挨拶。
観客を一気に町田ワールドへと誘います。

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この照明も凝っていますよね。
カメラワークも含めて、恐らく町田氏の演出だと思われます。

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聖母マリアの古来からの呼び名は、ラテン語で「アヴェ・マリス・ステラ(Ave Maris Stella)」といいますが、
「めでたし、海の星よ」という意味になります。

希望の星、導きの星であるマリス・ステラは北極星であるとか、
明けの明星、金星であるとか言われているようですが、
この、星が大きく瞬く照明の演出は、天の北極に最も近い星、北極星を表しているのだと和猫は思います。
(極北…第九の衣装…ボソボソ…

町田氏が氷に降り立ち、リンク中央に向かうにつれて、星の輝きがだんだんと小さくなっていきます。

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今回、町田氏が使用した、いわゆる「シューベルトのアヴェ・マリア」は、
トランペッターであるクリス・ボッティ氏によるもので、
その音源は、2008年9月にボストンのシンフォニー・ホールで開催したライブのものであると
町田氏が公式サイトに綴っておりました。

町田 樹 OFFICIAL WEB SITE  → “Ave Maria” by Chris Botti

こちらになりますにゃ(*´▽`*)

Chris Botti in Boston, 2008.


クリス・ボッティ氏の音楽も素敵ですが、超イケメン(*´ェ`*)ポッ
また、トランペットとフィギュアスケートのコラボって、
町田氏も書かれているように珍しいですよね。

そんなトランペットの音色を最大限に生かした振り付けが目を引きますが、
特に音に合わせたスパイラルが印象的。

こんなのとかー

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こんなのとか。

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そして最大の見せ場!
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

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なにこれ、長い!長いよーー(ノ´▽`)ノオオオオッ!

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「高須クリニック」の広告前も通過しちゃったよー!
終わらないよーー!ぶつかるよーーー!!

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いえ、ぶつかりません。
ギリギリで回避(ΦωΦ)

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およそ15秒間に及ぶトランペットのロングトーンを、フィギュアスケートのロングスパイラルで表現。
やってくれますねぇ、町田氏!

そして最後は祈りを捧げる町田氏をマドンナブルーが暖かく包み込むように
荘厳な空気が流れる中、静かに幕を下ろしました。

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町田氏が何を祈っていたのかは、本人にしか知る由がありません。
しかし、フィギュアスケートへの愛、未来のフィギュアスケートへの祈りだったのではないかと感じます。

 既存のルール、価値体系に縛られることのないフィギュアスケート—— Patinage artistique(「芸術的スケート」仏語表現)のひとつの方向性を示そうとするこの作品もまた、未来のフィギュアスケート界に捧げるささやかな「祈り」なのです。

(町田 樹 OFFICIAL WEB SITEより引用)
http://tatsuki-machida.com/skating/19_avemaria.html 


高難度ジャンプをいかに跳ぶことが出来るかが勝負の鍵となりつつある男子シングル。
スポーツである以上は、高難度の技を目指すのは当然のこととはいえ、
競技を離れて、「芸術的スケート」を追求する町田氏の演技を観ていると
フィギュアスケートの持つ本来の魅力を感じざるを得ません。

和猫が気付かなかった、フィギュアスケートの未知の世界を切り開いてくれる町田氏に感謝しますにゃ。




◆ちょっと一服
①「マドンナブルー」について

マドンナブルーは、群青色のように少し紫を帯びた深い青色で、
ラピスラズリ(和名・瑠璃)を砕いて粉にした、とても高価な顔料です。
古来より西洋ではこの希少で高価な「最上の青」を用いて、聖母マリアが描かれたことから、
マドンナブルーと呼ばれるようになったそうです。
(今回、初めて知った(´∀`) )

ラファエロ・サンティ「大公の聖母」
RA (263x400)
(画像出典 http://musey.net/470)




◆ちょっと一服
②「シューベルトのアヴェ・マリア」について

まずはイタリアを代表する世界的なテノール歌手、アンドレア・ボチェッリの歌声をお楽しみください(*´▽`*)

Andrea Bocelli Feat. David Foster - Ave Maria


いわゆる「シューベルトのアヴェ・マリア」は、バッハ=グノー、カッチーニと並んで三大アヴェ・マリアと呼ばれます。
シューベルトの曲の中で、一般にもっともよく知られている曲なのではないか?と思いますが、実はこの曲、本来は「アヴェ・マリア」ではなく、「エレンの歌 第3番」といいます。

元はスコットランドのロマン主義作家、ウォルター・スコット(Sir Walter Scott, 1771年~1832年)の叙事詩「湖上の美人(The Lady of the Lake)」を、ドイツの歴史家アダム・シュトルクがドイツ語に翻訳したものに、シューベルトが曲を付けた歌曲集「湖上の美人」(1825年作曲)の一部(7曲あるうちの6曲目)になります。シューベルトの歌曲でも特に人気の高い「湖上の美人」は晩年の作品になります。

したがって本来は宗教曲ではありませんでした。

「湖上の美人」のストーリーは書くと長くなるので省きますが、王から謀反の罪を着せられた父と共に逃げた娘のエレンが、ハイランド(高地)の族長に匿われ、「ゴブリンの洞窟」に身を隠します。洞窟の中で父の無事を聖母マリアに祈り歌ったものが「エレンの歌 第3番」になります。

しかし、シューベルトの旋律に、伝統的なラテン語典礼文を載せて歌うことが多いために、宗教曲と勘違いされている部分がありますよね。上記アンドレア・ボチェッリの歌うアヴェマリアも典礼文です。

余談ですが、原作者のウォルター・スコットについては、L・M・モンゴメリの小説「赤毛のアン」が好きな人なら聞き覚えのある名前ではないかと思います。作品中にスコットの詩「マーミオン」が登場するし、マリラに「学校に行ってたのかい?」と聞かれて、「本も読めるし詩もたくさん暗記している。“湖上の麗人”もかなりいける」と返事する場面もありました。





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2016_04
30
(Sat)16:35

町田氏の新プログラムは松田聖子さん!

和猫が子猫の頃、松田聖子さんといえば人気絶頂のアイドルで、
その歌声を聴かない日はないというくらい、テレビやラジオのスイッチを入れたら
透明感のある独特な柔らかい声が聴こえてきたものですにゃ。

子猫の頃はよくわからなかったけれど、
成長するにつれて松田聖子さんの歌の良さをようやく理解できるようになった和猫は、
今では聖子ちゃんのベストCDを仕入れて(猫)カラオケで歌うほどψ( ̄▽ ̄)ψ

もともとは、女性ボーカルだとアンジェラ・アキさんやaikoさん、椎名林檎さん、MISIA(ジー選手ではない)さんなど
そういう系統が好きなんにゃけれど、なぜか聖子ちゃんは違う意味で好きなんにゃねー。


その松田聖子さんの代表曲のひとつである「あなたに逢いたくて」を!
まさかまっちーが滑るとはーーーー!!


和猫、町田氏の新プログラムが本日お披露目ということで、
Twitterに流れてくる情報を心待ちにしていたにゃよ。

そしたらオープニングで「まっちー 黒 スケスケ! ブーツ! 短髪!!」なるキーワードが並び
頭の中は「?」マークでいっぱいになっていたにゃ。
「黒」や「スケスケ」に頭の整理が付かない中に流れてきた新プログラム情報・・・

聖子ちゃんの「あなたに逢いたくて」フルバージョンに、PCの前でお茶噴きましたにゃよ!
せ、せいこちゃん??

いやもう、我々の想像のはるか上をいく町田氏!
今年もクラシックとばかり思っておりました(;・∀・)

町田氏が更新されたHPによると、今年のプリンス・アイス・ワールドのテーマがJ-POPSだったそうですが
そのコンセプトを知らずに選んだ曲が聖子ちゃん。偶然に驚いたそうです。

    こちら → プログラムアーカイヴ更新のお知らせ


 「詩(ボーカル曲)を滑る」ということの意味を問う試み 




町田氏の言葉の中に「詩」を滑るというものがあります。
詳細は下記リンク先に書かれていました。


  → あなたに逢いたくて (Missing You)


もう2年も前から考えていたプロなんですにゃね!
この楽曲は1996年の作品だから、当時町田氏はまだ小さな子供。
ということは、お母様がお聴きになっていたのかな?

ヴォーカル曲が解禁になり選曲の幅は広がったが、果たして「振付(Choreography)」における個性の創出が促され、「音楽の解釈(Interpretation)」は深度を増したのでしょうか。」という町田氏の問題提起。完全な作品として出来上がっている楽曲を身体表現で「二次創作」することの意味を深く掘り下げて考察する町田氏の言葉に唸るばかりの和猫ですにゃ。「母語」であることも重要な意味を持っています。

複層的なコンセプトに「相聞歌」を挙げる町田氏ですが、テーマは詩人・蒲原有明の小説タイトルから。

 夢は呼び交わす 




いやはや。蒲原有明とは・・・!
近代詩の一時代を築き完成させた象徴派詩人ですが、当時の詩の評価は低く、苦しみも多かった人。
「夢は呼び交わす」は蒲原有明の自伝的小説ですが、
文豪たちの作品分析も多いので、文学論としての研究にも役立つものと思います。

  こちら → 夢は呼び交す――黙子覚書――

なんというか、登場してくるたびにいろいろと驚かせてくれる町田氏です。

町田氏の記事には、松田聖子さんと㈱ファンティックさんから許可を得ていることも書かれていますが
昨年の研究発表内容が「著作権」だったなぁと思い出されます。

ちょっぴりでもいいから、映像観たいにゃ(*´Д`)



松田聖子 / あなたに逢いたくて〜Missing You〜






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2015_12
17
(Thu)17:25

大西先生のコラムとベートーベン生誕245周年に寄せて

タイトルのお話の前に、ロシア発の記事をひとつ。

 羽生の新記録でルール変更へ

 国際スケート連盟 (ISU)の技術委員会は、2018年の冬季五輪後にルールを変更したい意向だ。改正待ったなしのきっかけとなったのは、ソチ五輪金メダリスト、羽生結弦が叩き出した高得点が大きいと、Rスポーツ紙に対し、ISU技術委員会のアレクサンドル・ラケルニク委員長は述べた。

 現在、「技術点」は、以下のように決まる。まず、選手の実行した要素が何であったか判定して、その要素に対応した「基礎点」が決まり、さらに技の出来ばえを、-3から+3の「GOE(Grade of Execution)」で評価する。

 羽生選手は、GPNHK杯とGPファイナル(バルセロナ)で、2度にわたり、技術点の世界記録を塗り替えたうえ、ショートプログラム、フリースケーティング、合計点のいずれでも世界記録を更新。その際フリーでは、3つの要素については、GOEによる採点の平均も、最高の+3を獲得。

 「技術委員会は、フィギュアスケートの新ルール策定に取り組んでおり、それをISUの総会に提出することになる。今のところ、いかなる決定もなされていないが、私は、ルール改正の課題を2018年に提起する。改正が待ったなしになったのは、何人かの選手が上限に近い点数を獲得し、羽生結弦選手が、GPNHK杯とGPファイナルの演技が事実上理想的であるとの評価を得たことと関連している」

 ラケルニク委員長は電話でこう語った。

ロシアNOW
〔2015年12月16日〕
http://jp.rbth.com/arts/sport/2015/12/16/551575 



ロシア発の記事なので、話半分に聞いておけばいいと思いますが、
現行ルールの改正があるかもしれないということです。

GPFにおける羽生選手のあの満点に近い素晴らしい演技を、さらに超える演技を
羽生選手自身、または他の選手が行った場合、現行のルールではもやは評価できないであろうという点において
ルール改正のお話が出てくるのは何も不思議なことではないし、むしろ当然の結果のような気もします。

しかしもし改正ということになれば、ジャッジの主観による評価(GOEやPCS)は極力減らしてもらう方向で無いと
今のように選手やジャッジ、大会やシーズンによって基準がバラバラという状況が続けば
フィギュアスケートも今以上にスポーツとして成り立たなくなる日が来るでしょう。

またジャッジの匿名性廃止は言うまでもありません。

まあ前述したように、まだもしかしたら改正があるかもしれないという段階ですので
もしこのお話が本格化するようであれば、ルール改正についてもう少し考えてみたいと思います。





さて!スポーツナビの特集で12月3日と本日12月17日の2回に分けて
大西勝敬先生のコラムがUPされましたのでご紹介!

とても良いお話だったので、引用だけにしようと思ったのにけっきょく全文お借りするかたちになりました(;・∀・)
スポナビさん、すみません。


 反骨精神と歩んだ大西勝敬の指導者人生 フィギュアスケート育成の現場から(12)

指導者としてもうすぐ40年

「先生〜!」
 滑りに来た一般の女性の人たちが手を振る。
 それに、にこやかに、応対する。

 大阪府立臨海スポーツセンターでフィギュアスケートの指導にあたる大西勝敬だ。
「いやいや、僕、やさしくなんて、もともとはないですからね」
 と笑う。

 これまで、2度、指導者の立場で五輪に行った。カルガリー五輪に加納誠と、そしてソチ五輪に町田樹と。

 もともとは選手だった。指導者に身を転じてからの時間は長い。もうすぐ、40年に届こうとする。

 大西は、しかし、意外な言葉を口にする。
「好きでもなかったのに、こんなに長く、よくやったなと思います」

 では、何が大西をフィギュアスケートに、これほどまでに長く携わらせることになったのか。

フィギュアが好きだったわけではない

大西がフィギュアスケートを始めたのは小学2年生のとき。当初はアイスホッケーをしていたが、フィギュアスケートに転じた。親の方針だったという。
 以来、選手となった大西が指導者になったのは、法政大学を卒業してすぐのことだ。

 本当は、銀行への就職が決まっていた大西の運命を変えたのは、卒業を間近にした頃に観た、全日本選手権だった。

「関西の選手たちが下位争いをしている。男女どちらもですよ。それを見たとき、関西に帰ろう、日本一を目指そうと、ふと思った。それがきっかけです」

 周囲の反対はなかったのか。大西は、笑って、このように答えた。
「こういう奴が一人おってもいいだろう、と」

 先に記したように、フィギュアスケートが好きだったわけではなかった。なのに大学生まで続けて、さらに立場は変わろうと、就職先を蹴ってまで続けることになった理由を、大西はこう語る。

「反骨精神が旺盛なんですね。選手の頃は、『男のくせに』と言われて、それでものすごい悔しい思いをした。それが力になった。それに当時の関西の指導者の方々も女性ばかり。じゃあ変えてやろう、と」

 大西が指導を始めるにあたって、考えていたのはただ一つだった。
「日本一を目指す」

 そこにも、反骨精神があった。

「東京にいるとき、嫌な思いをしたんです。大阪から東京に移るにあたって、大阪の重鎮の方から『東京に行ったら世話になれよ』と言われていた方がいたんです。でも行ったら、相手にしてくれなかった。実績がなかったからでしょうね。それで、今に見とれ、覚えていろよ、と。でも勝ってから言わないと負け犬の遠吠えでしょう」

スパルタから指導スタイルが変化

強い勝負へのこだわりがあった。だからか、指導方法は、「スパルタのひとことだった」と言う。
「加納なんかの頃はそうですね」

 それがいつしか変わったと言う。
「変わったと言っても、この10年くらいです」

 変わったきっかけが特にあるわけではなかった。反骨精神から、勝つことに執念を注いできた。選手を成長させようという思いも人一倍、強かった。だから、とことん、伸ばす方法を考え続けた。その時間の中でたどり着いた答えがあった。

「どうやったら子供を育てられるんだろう、どうやったら思いが伝わるんだろうということでした。何十年の間、ずっと考えていた。でも結局、なかったんですね。そして気づいたのは、子供は十人十色なんだということ。それぞれに合わせてやったらどうなるんやろう、と思うようになったんですね。そのとき、スパルタがなくなった。それがここ10年くらいです」

 スパルタから指導スタイルが変化した大西のもとにやってきた選手がいた。ソチ五輪シーズンを前に悩んでいた町田だった。

 以前の取材で、大西は当時をこう振り返っている。
「『何が目標や』。そこから話は始まりました」

 話す中で、もっとも気にかかったのは町田の意識だった。
「とにかく弱気だった。『僕は6番目ですから』とか、そんな発言ばかり」
 そこから変えようと試みた。

町田の「覚悟」、大西の「勝負へのこだわり」

指導にあたっては、町田の頑固さを理解し、伝え方を工夫した。ストレートにスケートの話をしても受け取ってくれないだろう。だったら他の競技をたとえにしよう。
 そんな柔軟性は、スパルタを脱した大西だからこそだった。

 一方で、勝負へのこだわりは変わらなかった。町田を勝たせたい、そう考えていた。
 大西は、当時をこう語っている。
「まさに命懸けの練習でしたね」

 町田も当時をこう言葉にしている。
「これ以上はできないというくらいやりました」

 そこまで突き詰める練習をなしえたのは、町田の「覚悟」、大西の「勝負へのこだわり」、つまり選手を勝たせたいという執念の融合でもあった。

「自分のスタイルを、ただ一辺倒じゃなく選手ごとに見るように変えることができたのは、命がけで教えてきて、ときに苦労もあって、そんな経験を積んだからかもしれないですね」

 ふと、大西は言う。

 町田がソチ五輪へとたどり着いたのは、大西がとことん教えたスケーティングの向上にもあった。

 今、大西は、スケーティングをめぐり、日本のフィギュアスケートの今後に、危惧(きぐ)を抱いていると言う。


スポーツナビ 松原孝臣
〔2015年12月3日(木) 〕
http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201512010008-spnavi
http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201512010008-spnavi?p=2 



 “血統”を継ぐ大西勝敬の決意 フィギュアスケート育成の現場から(13)

「指導者としてはまだ、ぺえぺえ」

「ここの練習を知ると、よそのリンクから来た先生たちがうらやましがりますね」

 大阪府立臨海スポーツセンター「りんスポ」で、フィギュアスケートの指導にあたる大西敬勝は言う。選手として競技に取り組む子供たちの練習時間を、きちんと確保できているところが、羨望(せんぼう)の対象になるという。

「それだけは誇れますね」

 練習体系など運用のシステムは大西が主となり、時間を重ねて作り上げた。

「僕たちはインストラクターだけど、このリンクを守ろうという思いから、放送の仕事をはじめ、インストラクターじゃない仕事もさせてもらっています。自分の仕事場だから、自分で守らないと」

 センターはかつて、閉鎖危機に揺れ、運動の先頭に立った高橋大輔をはじめ多くの人々の支援もあって存続につながった。いや、大西はここに来るまでに、2つのリンクの閉鎖を味わっている。その体験があるからの言葉であり、運営に積極的にかかわってきたのかもしれない。

 長いキャリアを積み重ねてきた大西は、言う。
「僕なんて、指導者としてはまだ、ぺえぺえですよ」

 すでに指導者としての経歴が40年に届く日も遠くはない。“ぺえぺえ”、という言葉は、どこかそぐわないように感じる。

指導で最も大切なのは、「基本を教えること」

その理由を明かす前に、大西は、指導で最も大切なのは、「基本を教えること」と言った。スケーティングを重視する。

 町田樹の指導においてもそうだった。

 以前、大西はこう語っていた。
「僕ね、あの子を預かることが決まってから、過去の滑りの映像を何日も徹夜して見たんですよ。徹底的に見て分かったのは、よくこれであの位置にいたな、ということ。それくらいスケーティングが下手だった。それがいろいろなところに派生していた。でもジャンプは上手だと分かったし、ここをこう直せば戦えるな、じゃあこうやっていこうと決めたんです」

 町田は毎日、コンパルソリー(氷上を滑り、スケートのエッジで定められた図形を描いていく)にも取り組むことになった。それがもたらした成果は、ソチ五輪シーズン以降の町田の滑りが雄弁に物語っている。

 現在は長久保裕のもとにいる山本草太も教え子の1人だ。高校1年生の山本は、昨シーズンの世界ジュニア選手権で銅メダル、今シーズンのジュニアグランプリファイナルで前年の銀メダルに続く銅メダルを獲得するなど、次代を嘱望される選手である。

「小学2年生の頃からですね。スケーティングをよくしましたよ。ジャンプが跳べない頃から、スケーティングは相当やりましたし、あまり好きじゃなかったサークル(氷上に円を描くこと)もやらせた」

 山本はスケーティングに関しても評価を得ている。それは大西のもとで、磨かれたものだった。

「練習はかなりやったけれど、能力が高いからよく吸収した。優秀だったなあ」

 大西が練習においてスケーティングを大切にしているのは、自身が選手であった頃の教えにある。

恩師・山下艶子、佐藤信夫の教え

大西は、スケートを始めてから、当時有数の指導者だった山下艶子に指導を仰いできた。山下は佐藤信夫が選手であった頃に指導した人でもある。

 山下のあと、大西は佐藤の指導を受けた。山下、佐藤の指導は共通していた。基本を大切にすることだった。

「山下先生にはコンパルソリーを手取り足取り教えていただきましたし、自分の頭の中に基本を植えつけていただいたのは、山下先生、そして佐藤先生のおかげです。つまり、同じ血、同じ血統なんです。山下先生、佐藤先生、僕、(小塚崇彦の父の)小塚(嗣彦)さん。小塚さんの息子さんも、その血統にありますね」

 そのあと、大西は、自身を“ぺえぺえ”と言った理由を説明した。

「佐藤先生をはじめ、山田(満知子)先生、長久保先生、僕よりご年配の方がスケート界を支えています。だから僕なんて、ぺえぺえなんです」

 そう思ったとき、大西は1つの疑問が浮かんだという。
「じゃあなぜ、年配の方々が今も支えているんだろう、そこに割って入る若い指導者が出てこないんだろう」

 考えていくうちに、答えが浮かんできた。
「佐藤先生をはじめ、共通しているのは、フィギュアスケートの基礎が頭に、体の中に入っているということです。だから上手に伝えて教えられるんだろうなと思う。そこまで体に染み付いていなかったら、どうしても理屈というか講釈をつけて教えざるを得ない。それだとうまく教えられないですよね」

 息を継ぐと、大西は続ける。

「(11月の)全日本ジュニア選手権に行ったとき、他のリンクで教えている人と話をしていて、『やっぱり基本が大事だよね』という結論になりました。基本ができていないというのは、上の方に行ったときにばれてしまうんですよ。4回転を跳べた、3回転を跳べたといっても、上位になっていけば、みんなが跳んでくる。そうなるとどこで差がつくかと言えば、ステップやスピンなどです。そのとき、慌ててスケーティングに取り組んでも手遅れ。たし算が分からないのに、掛け算ができるわけはない。佐藤先生たちともそういう話をするんですけど」

その血を絶やさないように

だから思う。

「37、38あたりより歳が下の人は、コンパルソリーを知らない。今後、基本を教えられる人が減っていくと、危険ですね」

 そう感じるからこそ、大西は、今、こんな抱負を抱いている。
「早く若い子を育てないと」

 それは選手を育てるという意味だけではない。

「いつまでも佐藤先生たちに頼っているようじゃね。若い指導者に台頭してほしい。自分も指導者を育てるような歳になってきたなと思います」

 好きではなかったのに、選手であった頃も含め、50年を超える時間をフィギュアスケートに費やしてきた。

 今も好きではないのだろうか。そう尋ねると、笑ってこんな答え方をした。

「僕はね、親に感謝しているんですよ。スケートを始めたとき、僕に許可もなくですが(笑)、山下先生に習えるようにしてくれた。親の方針として、何でも一流のものを勉強しないといけないというのがあったからです。だからここまで来られた気がします。ものごと、何でも一流に学ぶことが大事じゃないですかね」

 山下に教わり、おそらくはそのことによって佐藤からも教わり、そこで得た指導を自身の財産にして、“同じ血統”の指導者として、スケート界にいる。

 そして今、その血を絶やさないようにと考えている。

(第14回に続く/文中敬称略)

スポーツナビ
〔2015年12月17日(木) 〕

http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201512150001-spnavi
http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201512150001-spnavi?p=2 



「血統」のお話がとても心に響きました。
まずは基本を大切に。何ごとも基礎があってこそ、選手それぞれの個性が光るのだと思います。
町田氏もコンパルソリーをはじめてから格段にスケート技術が上がり、そしてジャンプの質も良くなりましたよね。
真央さんも、佐藤先生に師事してからは、ますますスケーティング力が付き
現在では佐藤先生が好きだという、磁石みたいに氷に吸い付くような美しく滑らかで無駄のない滑りを身に付けました。

この「血統」、別の言い方をすれば「伝統」を次世代へ引き継ぐ重要な役目を担っている大西先生です。

このコラムはまだ続きがあるようですので、次週かな?更新を楽しみにしています。


そして大西先生と言えば我らのまっちー♪
我らのまっちー♪といえば、ベートーベンということで、生誕245周年を迎えたベートーベンに寄せて
町田氏の「交響曲第9番」を捧げたいと思います。


町田樹 交響曲第9番 Tatsuki Machida Symphony No.9


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MATI2.jpg


町田氏が引退発表した昨年の全日本選手権からもうすぐ1年になります。
まるで昨日のことのようですよね(;・∀・) 和猫は今でも泣いています(キリッ

でもきっと同じようなヒト族、ネコ族がいるに違いないにゃ。

Numberの「年末年始のスポーツ、あなたが最も印象に残った出来事は?」というサイトでは
82.8%もの人が「町田氏の引退」をあげており、コメントも「町田樹」で溢れています。
※2014年のものです


  → 年末年始のスポーツ、あなたが最も印象に残った出来事は?


町田氏は新しい道をどんどん歩んでいっているのに、
和猫の中の「町田時計」はこの日で止まったままですにゃ(;´・ω・)

なんかじめじめしてしまってすみません。


気分を変えて、グーグルの面白いロゴゲームをご紹介♪
今日だけなのかな?グーグルのトップページを開くとベートーベンの面白い動画ゲームが出てきます。


 本日のGoogleロゴは、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーベン 生誕245周年記念Doodle

本日、12月17日のGoogleロゴは「ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーベン 245周年記念Doodle」となっている。

 ロゴのプレイマークをクリックすると、交響曲第五番「運命」が流れ、その後「楽譜並べゲーム」が始まる。最初のゲームは交響曲第五番で、4つの枠内に用意された4つの楽譜を並べて、旋律が正解ならクリアだ。以下同様に、「エリーゼのために」「月光ソナタ」と続き、最後に「第九」を完成さればオールクリアとなり、赤い幕が下がってグーグルのロゴが登場する仕掛けた。

 Googleでは、ベートーベンの誕生日を12月17日と判断したようだが、ウィキペディア(日本語版)では「12月16日頃」としており、その注釈として「洗礼を受けたのが12月17日であることしかわかっていない」と記している。
 (町田光)

財経新聞
〔2015年12月17日 05:37〕
http://www.zaikei.co.jp/article/20151217/284025.html 


なんと偶然にもこの記事を書いたライターさんのお名前が町田氏!(笑)


 サイトはこちら! → https://www.google.co.jp/


Celebrating Ludwig van Beethoven's 245th Year google doodle



このベートーベンはお茶目ですね(*´▽`*)



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追記です!

町田樹氏、研究者デビュー!!!!

   → 日本スポーツマネジメント学会第8回大会


上記サイトよりPDFファイルを見ると・・・


  → 日本スポーツマネジメント学会第8回大会 一般研究発表スケジュール


最後のページの右下にあります!


 フィギュアスケートと著作権法:スポーツ界における著作権マネジメントの確立に向けて
 町田 樹 早稲田大学スポーツ科学研究科 



Twitter情報で知りました。よくこんなの見つけるなぁw( ̄o ̄)w
著作権法かぁ~そう来たか~~~


2015_10
08
(Thu)15:35

「継ぐ者」最終公演につき

真央さんの復帰戦となったジャパンオープンのエキシビション、
カーニバルオンアイスに町田樹氏が出演されました。

オープニングで町田氏が登場してきたとき、「おおおお!まっちーのルッツ! ヽ(^◇^*)/ 」と、
思わずテレビ画面に向かって叫んでしまいましたにゃよ。

テレビ画面を激写!!

ka1 (600x500)

この美しきリアルルッツよ。

そしてJO日本代表選手の輪の中に入った時には目頭が熱くなりましたにゃ(´;ェ;`)

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真央さんの現役復帰のことや、町田氏の学業のことなど、
真央さんと町田氏はきっと何かお話されたと思うのですが、どんな会話を交わしたのでしょうね?

例えばこんなふう?

  まっちー「復帰おめでとう!」
  真央さん「ありがとう(*´▽`*)」
  まっちー「アルゴリズムとヒューリスティックのふたつを 使い分けて、
       さなぎから蝶へ羽化するような進化した姿は受け継ぐ者、何らかの継承者といえる。
       純粋芸術としての蝶々夫人、浅田真央史上、最高傑作をオーディエンスに・・・なんちゃらかんちゃら・・・」

  真央さん「・・・(゜∇゜ ;)エッ!?」


さて!このカーニバルオンアイスで、町田氏の「継ぐ者」は最終公演となりました。
もう観られないのですね(;´Д`)

放送では実況の小島氏や解説の八木沼さん、織田くんが
プログラムの空気感を壊すことなくコメントしてくださったのがとてもうれしかったです。

小島氏はちゃんと「最終公演」と言ってくれましたにゃね。

 シューベルトの調べに魅せられた町田樹が表現するもの。そして今作品は、この公演をもって幕を下ろします。町田樹、「継ぐ者」 


CaOI2015 Tatsuki MACHIDA



 人間は誰もが何らかの「継承者」と言え、その人生を全うする過程で、「受け継ぐ者」と「受け渡す者」の両者を経験することになるはずです。人から人へと連なる、過去へも未来へも永遠と続く、その連綿たる連鎖の中に存在すること——— をコンセプトに、先人たちが辿った軌跡と、未来を形成する者たちに思いを馳せ、「継ぐ者」を制作しました。

http://tatsuki-machida.com/skating/17_inheritor.html 




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「継ぐ者」は最終公演を終えました。


MATI16 (600x378)







・・・でも11月にBSジャパンで放送があるにゃーヽ(^◇^*)/


 「カーニバル・オン・アイス2015」
11月12日(木)夕方5時29分 2時間30分たっぷり放送
世界のトップスケーターによる華麗な共演は、まさにカーニバル!
「ジャパンオープン」出場選手に加えゲストスケーターが出演。
豪華な顔ぶれが揃うカーニバル・オン・アイス2015を、2時間30分、たっふり放送!

実況:板垣龍佑(テレビ東京アナウンサー)
解説:宮本賢二(振付師)
リポート:浅田舞
インタビュー:須黒清華(テレビ東京アナウンサー)

http://www.bs-j.co.jp/official/japanopen2015/ 




にゃはははっヽ(*⌒∇⌒*)ノ
永久保存版にゃ!



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2015_08
26
(Wed)16:00

町田樹氏からのお知らせ

にゃ~~~~!
我らのまっちーがHPを更新されていましたにゃよヽ(^◇^*)/

しかも2つもUPされていました!!!!


  → 木下グループpresents Carnival on Ice 2015出演のお知らせ
  → 「継ぐ者」最終公演に際しまして


なんと!カーニバル・オン・アイスに出演されるそうですw( ̄△ ̄;)w


そしてこれが「継ぐ者」の最終公演になるそうです(´;ェ;`)
和猫、一度でいいからこの目で町田氏の「継ぐ者」を観てみたかったにゃよ(〒_〒)

カーニバル・オン・アイスのチケット、もう絶望的。
忙しい時期とはいえ、なんとか無理すればよかったと後悔してみたりもするけれど
こればかりは仕方ないにゃね。


粛々と、町田氏の「継ぐ者」最終公演をテレビの前で見守ることにします。


町田樹 EX - DOI 2015

町田樹 EX - DOI 2015 投稿者 japanskate


そしてまずはファンに向けてHPにて情報を公開してくださった町田氏に感謝します。
・・・と書きながら、やっぱり“最終公演”の文字に涙している和猫ですにゃ(;・∀・)


和猫の「継ぐ者」過去記事はこちら。

  → 継ぐ者(The Inheritor)
  → プリンスアイスワールド2015「継ぐ者」




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まっちーが“裏テーマ”だというフィギュアスケートの雑誌を購入し、読んだ感想を書きたいとずっと思っているのに
書こうとするといろいろな気持ちが込み上げてきて、未だにうまく記事に出来ません(;´・ω・)

またいずれ、その雑誌のことも取り上げたいと思いますにゃ。